自動車保険の値上げが続く5つの理由|2026年改定と節約ポイント
監修者:中野 宏紀(ファイナンシャルプランナー)
「自動車保険の保険料が、また上がっているのはなぜだろう。」
「事故も起こしていないのに、更新のたびに高くなっていく…」
このような不満を抱えていないでしょうか。
2026年も主要損保各社で自動車保険の改定が続いており、修理費の高騰や自然災害の増加など、業界全体の構造的な要因による値上げが進んでいます。しかし、値上げの背景と節約のポイントを押さえれば、保険料を抑える余地は十分にあります。
そこで本記事では、以下のテーマについて解説します。
- 主要5社の2026年改定動向
- 自動車保険の値上げが続く5つの理由
- 値上げに備えて見直したい節約ポイント
自動車保険の値上げに不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
なお、自分の契約内容が値上げに見合っているかを判断するのは難しいでしょう。保険料の見直しに迷ったら、お金のプロであるFPに相談してみるのもひとつの方法です。無料相談サービスもあるので、興味のある方は、ぜひFPに相談してみてください。
この記事の監修者:中野 宏紀(ファイナンシャルプランナー)
目次
自動車保険の値上げは2025年・2026年も続く?主な改定動向
ここでは、主要損保5社の改定動向について詳しく紹介します。
- ソニー損保の改定動向
- 東京海上日動の改定動向
- SBI損保の改定動向
- あいおいニッセイ同和損保の改定動向
- 損保ジャパンの改定動向
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ソニー損保の改定動向
ソニー損保は、2026年1月1日以降を保険始期日とする自動車保険契約を対象に、商品内容と保険料を改定しています。
公式発表では、物価上昇による修理費の高騰、事故および自然災害の増加などを踏まえ、各種補償・特約の保険料を見直すとしています。ただし、改定内容には割引率の変更や特約保険料の増減が含まれるため、すべての契約で一律に保険料が上がるとまではいえません。
一方で、補償が拡充される項目もあります。具体例として、従来「故障補償特約(搬送時)」と「事故時レンタカー費用特約」の両方が付帯されている契約について見ていきましょう。
この契約では「故障補償特約(搬送時)」の支払対象となる故障損害について、修理期間中のレンタカー費用が補償対象外でした。改定後は、両特約が付帯されている契約でも故障損害に伴って借り入れたレンタカー費用なら15日を限度に補償されます。この点は、該当する契約者にとって有利な変更です。
東京海上日動火災保険の改定動向
東京海上日動火災保険は、2025年10月1日付および2026年1月1日付で自動車保険を改定しています。
一連の改定では、物価上昇の継続やひょう災などの大規模自然災害の多発を背景に、多くの契約者で保険料引き上げが生じるとされています。ただし、2026年1月改定では記名被保険者年齢などの保険料区分の見直しも含まれるのも特筆すべきポイントです。
たとえば、ドライブエージェント パーソナル特約では新型・事故自動通報ドラレコが導入されています。改定案内では、保険期間1年で分割払の場合の月額保険料として、新型・事故自動通報ドラレコは470円、2カメラ一体型ドラレコは810円と示されています。
事故時の基本機能を重視し、保険料を抑えたい契約者にとっては選択肢が広がる変更です。
SBI損保の改定動向
SBI損保は、2026年1月1日以降を保険始期日とする契約を対象に、自動車保険を改定しています。
公式発表では、車両無過失事故に関する特約の新設や、車両損害に関するレンタカー費用補償特約などの見直しが案内されています。従来は、過失のない追突事故などであっても、自分の車両保険を使うと継続契約のノンフリート等級や事故有係数適用期間に影響する場合がありました。改定後は、車両保険をセットした契約に「車両無過失事故に関する特約」が自動的にセットされます。
具体的には、契約自動車の所有者や使用・管理者に過失がないなど一定の条件を満たす場合、車両保険金が支払われてもノーカウント事故として扱われます。そのため、該当する事故で自分の車両保険を使う契約者にとっては有利な変更です。
あいおいニッセイ同和損保の改定動向
あいおいニッセイ同和損保は「自動車保険の保険料見直しに関するご案内」で、自動車保険の保険料見直しを案内しています。主な背景は、修理費の高額化や物価上昇・自然災害に伴う支払保険金の増加などを踏まえた保険料水準や割引率等の見直しです。無事故で更新する場合でも、契約内容によって更新後の保険料が上がる場合も下がる場合もあります。
具体例として、原動機付自転車を除き、従来は運転者年令条件が「21才以上補償」の契約に記名被保険者年令別料率区分がありませんでした。改定後は、69才以下・70〜74才・75〜79才・80才以上に分かれます。
年令区分を含む契約条件によって保険料は変動する場合もあるため、更新時には見積条件を確認することが重要です。
出典:自動車保険の保険料見直しに関するご案内|あいおいニッセイ同和損保
損保ジャパンの改定動向
損保ジャパンは、2026年1月に自動車保険を改定しており、平均的な保険料水準は引き上げるとしています。背景には、参考純率の引き上げや物価上昇による修理費増加、自然災害の頻発化・激甚化による支払保険金の増加があります。
具体例として「故障運搬時車両損害特約」は、2025年12月以前の保険開始日の契約では、支払限度額が「車両保険金額または100万円のいずれか低い金額」でした。改定後は、2026年1月以降の保険開始日の契約で、支払限度額が「車両保険金額または30万円のいずれか低い金額」へ下がります。そのため、支払限度額の面では、補償が縮小されます。
一方、この特約については、一部の契約を除き保険料が引き下げになるとされています。更新時には自動車保険全体の保険料だけでなく、特約ごとの保険料と補償内容も確認しましょう。
自動車保険の値上げが起きる理由
無事故で過ごしてきたのに、なぜ保険料は毎年のように上がるのでしょうか。その答えは、契約者ひとりひとりの事情ではなく、自動車保険業界全体を揺さぶる要因にあります。
- 部品価格の上昇
- 整備工賃の上昇
- 事故件数・保険金支払いの増加
- 参考純率・商品改定の影響
順に解説します。
部品価格の上昇
自動車保険料の引き上げ要因のひとつは、部品や塗料の価格上昇による修理費の高額化です。
各種センサーやフロントセンサーカメラなどを搭載した車両の高性能化により、部品費や工賃が上がりやすく、修理費が高額化しています。その結果、保険金支払い1件あたりの修理費や自動車1台あたりの保険金が上昇傾向となり、参考純率や各社の保険料見直しに反映されています。
整備工賃の上昇
自動車保険の保険料引き上げ要因として、整備工賃を含む修理費全体の上昇は無視できません。
近年は整備士の人材不足が課題となるなか、人件費やエネルギーコストなどの上昇を工賃単価へ適切に反映する必要性が高まっています。加えて、衝突被害軽減ブレーキや各種センサーなど先進安全技術の普及により、自動車整備に求められる技術は高度化しています。
また、部品交換や分解調整に伴う工賃が上がりやすい点も、保険料の引き上げに拍車をかけているといえるでしょう。このような課題が重なることで、保険金支払い1件あたりの修理費や自動車1台あたりの保険金が上昇傾向にあります。
事故件数・保険金支払いの増加
自動車保険の保険料見直しには、事故件数そのものだけでなく、保険金支払い1件あたりの修理費や支払単価の上昇も影響しています。
交通事故発生件数や負傷者数は2023年に増加したものの、2024年からは再び減少しており、事故件数全体が継続的な増加傾向にあるとはいえません。一方で、2025年は重傷者数が前年比で増加しており、事故の発生状況は項目ごとに分けて見る必要があります。
こうした支払単価や修理費の上昇により自動車保険の支払いが増えると、保険会社は保険統計や収支見通しを踏まえて保険料水準を見直すことになります。
結果として、支払単価や1件あたりの修理費・自動車1台あたりの保険金の上昇は、参考純率や各社の保険料見直しに反映される要因です。
参考純率・商品改定の影響
自動車保険の保険料見直しには、損害保険料率算出機構による自動車保険参考純率の改定も影響しています。参考純率とは、会員保険会社から集めた契約・支払データや外部データなどをもとに算出される数値のことです。
ただし、参考純率をそのまま使用するか、修正して使用するか、使用せず独自に算出するかは各保険会社の判断です。そのため、実際の保険料改定率は保険会社や契約条件によって異なります。
参考純率が引き上げられた場合、各保険会社はそれを参考にしつつ、自社の収支状況や商品内容を踏まえて保険料水準や料率区分などを見直す場合があります。個別契約の事故歴や補償内容だけでなく、業界全体の保険統計や参考純率改定を踏まえた保険料水準の見直しも、保険料上昇の要因です。
自動車保険の値上げに備えて見直したい節約ポイント
値上げの流れは止められなくても、家計から出ていく保険料は自分の手で削れます。今すぐ契約内容にメスを入れるなら、押さえるべきは次の5つのポイントです。
それぞれのポイントについて詳しく説明します。
なお、補償の要不要をひとりで判断するのは簡単ではありません。家計全体のバランスを踏まえて見直したい方は、FPに相談すれば客観的なアドバイスを受けられます。 お金のプロであるFPに無料で相談できるサービスもあるので、興味のある方はぜひご利用ください。
1. 補償の重複を減らす
自動車保険を見直す際は、ほかの保険と重複している補償がないかを確認し、不要な重複を減らすことが有効です。
たとえば、個人賠償責任特約は、自動車保険だけでなく火災保険や医療保険・クレジットカードのオプションなどで付帯できる場合があります。ただし、重複している場合でも補償額が積み上がる場合や被保険者の範囲が異なるケースがあるため、保険金額・補償範囲・対象者を確認したうえで整理することが重要です。
補償額や対象者、ほかの契約を解約した場合の影響まで確認したうえで不要な重複を外せば、必要な補償を維持しながら保険料を抑えられる場合があります。
2. 車両保険の付け方を見直す
車両保険の付け方を見直すことは、保険料を抑えるうえで有効な選択肢のひとつです。
新車や高額車は車両保険の必要性が高くなりやすい一方、年式が古く時価額が下がった車では、設定できる車両保険金額が低く、修理費を十分にまかなえない場合もあります。
また、一般型から限定型(エコノミー型)に変更すれば保険料を抑えられる場合があります。ただし、単独事故など補償対象外となる事故があるため、補償範囲の違いを確認することが大切です。
自分の車の時価額や利用状況、修理費を自己負担できるかどうかを踏まえ、補償範囲・免責金額・保険金額などをチェックして選びましょう。
3. 特約を整理する
特約を整理することも、不要な補償重複や使う可能性の低い補償を見直し、保険料負担を抑えるうえで有効な対策です。
ロードサービスや代車費用特約などは、事故や故障時の負担軽減に役立つ一方、ロードサービスは契約に自動セットされる場合もあります。そのため、外せる特約かどうかを確認したうえで、代車の必要性や代替交通手段の有無に応じて見直す必要があります。
また、個人賠償責任補償特約や携行品特約など、ほかの保険契約と補償が重複する可能性のある特約もあるため、内容を確認せずに継続しないよう注意してください。必要性の低い特約や重複している特約を見直すことで、補償の不足を避けながら保険料負担を調整できます。
4. 運転者条件を見直す
運転者の年齢条件や範囲を実態に合わせることで、不要に広い補償範囲を見直し、保険料を抑えられる場合があります。
たとえば、同居の若い子どもが運転しなくなったにもかかわらず、年齢条件を「全年齢補償」のままにしていると、実態より広い条件で保険料を払い続けることになるでしょう。なお、別居の未婚の子などには年齢条件が適用されない場合があるため、子どもの同居・別居や婚姻状況も確認してみてください。
ただし、条件を狭めすぎると、家族や友人が運転した事故が補償対象外になる恐れがあるため、誰が運転する可能性があるかを確認したうえで設定することが重要です。
5. 一括見積りで複数社を比較する
保険料を見直す際は、一括見積りなどを活用して複数社を比較することが有効です。同じように見える補償内容でも、保険会社ごとに補償範囲や特約・保険料が異なるため、1社だけで判断すると比較の機会を逃す恐れがあります。
一括見積りを使えば、一度の入力で複数社の見積りを確認できるため、候補を絞り込む手段として役立ちます。ただし、保険を選ぶときは表示された保険料だけで判断せず、補償内容や特約・支払条件を各社の公式サイトやパンフレットで確認しましょう。
自動車保険の値上げに関するよくある質問
最後に、自動車保険の値上げに関するよくある質問を5つ紹介します。
- 保険料が上がりやすい契約条件はありますか?
- 更新で急に保険料が高くなるのはなぜですか?
- 事故を起こしていないのに上がることはありますか?
- 保険会社を乗り換えても等級は引き継ぎできますか?
- 軽自動車や高齢者は値上がりしやすいですか?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
保険料が上がりやすい契約条件はありますか?
保険料に影響する契約条件はいくつかあり、条件によっては保険料が上がりやすくなります。代表的なのは事故による等級ダウンで、1等級ダウン事故や3等級ダウン事故に該当すると、翌年以降の等級などに影響し、保険料が上がる場合があります。
また、以下の場合も保険料が高くなる要因になり得るので注意しましょう。
- 運転者の年齢条件や運転者の範囲を広く設定している
- 車両保険を一般条件で付ける
- 型式別料率クラスが高い車に乗っている
加えて、補償内容を手厚くしたり特約を多く付けたりすると保険料に影響するため、必要な補償を残しつつ定期的に見直すことが重要です。
更新で急に保険料が高くなるのはなぜですか?
更新時に保険料が上がる理由は、事故による等級・事故有係数適用期間の変化・保険会社の料率改定・契約条件の変更など、複数の要因が重なるためです。
1等級ダウン事故や3等級ダウン事故に該当すると、翌年以降の等級などに影響し、保険料が上がることがあります。また、保険会社の料率改定や運転者年齢条件や運転者範囲の変更・車両保険金額の見直しなども影響します。
さらに、車両の高性能化による修理費の高額化や物価上昇・保険統計上のリスク実態を踏まえ、各社が保険料水準を見直す場合もあるでしょう。ただし、実際の保険料は保険会社や契約条件によって異なるため、一律に値上げされるとは限りません。
事故を起こしていないのに上がることはありますか?
事故を起こしていなくても保険料が上がることはあります。主な理由は、保険会社全体の支払いコスト増加や料率改定の影響です。修理費の高騰や事故件数の増加・自然災害の影響などにより、業界全体で保険料が見直されることがあります。
そのため、無事故でも値上げされるケースは珍しくなく、自分だけの問題ではない点は押さえておきましょう。
保険会社を乗り換えても等級は引き継ぎできますか?
保険会社を乗り換えても、所定の条件を満たせば、ノンフリート等級は原則として引き継がれます。
自動車保険のノンフリート等級別料率制度は、一部の共済を除き保険会社間で共通する仕組みです。条件を満たせば、他社へ変更しても等級は引き継がれます。ただし、実際に適用される割引率・割増率や保険料は保険会社ごとに異なる場合があります。
また、事故有係数適用期間も等級と同様に引き継がれるため、乗り換えたからといって必ず保険料が下がるとは限りません。乗り換え時は等級だけでなく、補償内容や保険料全体で比較しましょう。
軽自動車や高齢者は値上がりしやすいですか?
軽自動車であっても、値上がりしやすいわけではありません。
ただし、型式ごとの保険実績や型式別料率クラスの毎年の見直しによって、軽自動車でも保険料が変わることはあります。一方、高齢の契約者については、記名被保険者の年齢に応じた料率区分により、同じ運転者年齢条件でも保険料が変わる場合があります。
年齢や車の種類だけで判断せず、型式別料率クラスや運転者条件・補償内容を確認し、複数社で比較することが重要です。
自動車保険の値上げ対策は今すぐ見直しと一括見積りから
自動車保険の値上げは、修理費の高騰や自然災害の増加、参考純率の改定など業界全体の要因によって2026年も続いています。無事故でも保険料が上がるケースは珍しくありませんが、これは契約者個人の問題ではなく構造的な変化です。
しかし、値上げの波に流されるしかないわけではありません。補償の重複や不要な特約を整理し、車両保険の付け方や運転者条件を実態に合わせて見直すことで、保険料を抑える余地は十分にあります。
自分だけで判断に迷うときは、FPに相談するのもおすすめです。家計全体を見渡したうえで、自動車保険を含めた最適な見直し方を一緒に考えてもらえます。 お金のプロに相談したい方はFP無料相談サービスをぜひご利用ください。
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